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前回取り上げた「木の実幼稚園」のコーナー活動について、もう少し紹介します。
訪問した日、教頭先生が各お部屋を一緒にまわってくださいました。
各コーナーは、原則月1回の見直し(実際はそれ以上のペース)とか。
子どもたちのリクエストに応えていくうちに、自然と環境は変化していくものだそうです。
例えば飼っていたカエルへの興味が徐々に恐竜へ移っていくと、カエル関連のものを置いていた場所に恐竜のものが増えていく……というように。
コーナーのある保育環境を整える2つのカギ
「会話の時間」と「ドキュメンテーション」
各教室にはホワイトボードが置かれていました。
朝の活動の時間の中で毎日設定されている「会話の時間」
ホワイトボードを活用して、子どもの自由な発表やコーナー活動での遊びの様子を共有します。
友だちがコーナー活動でしていることを知って、興味をもったり考えを深めたりすることにつながりますし、子どもたちの会話の記録を、しばらく残しておくのもポイント。
ドキュメンテーションは、子どもたちが見て共有できるもの。
保護者にも日々の活動を伝えることができて、まとめることで保育者自身の思いや考えが整理されていくという利点もあるそうです。
コーナーなどの目につきやすいところに掲示しておきます。
子どもの興味・関心を広げたり、達成感にもつながりますね。
コーナーの見直しについては、担任一人ひとりと園長先生、教頭先生が話し合い、共に考えておられるそうです。
経験年数の浅い保育者も安心ですし、人材育成にもつながりますね。
コーナー遊びを取り入れることで、どのような子どもの変化があったのか。
園長先生に伺いました。
「自分の意志や意見が尊重される環境で遊ぶこと、自分の気づきや知識を人に伝える機会があることで、自己肯定感が高まりますよね。主体的に学ぶ力の育ちを感じます。また、いろいろな活動に興味をもって取り組み、そこでの多様な経験が網目のように結びついて、将来的に柔軟な思考力を形成していくのではないかと期待しています」
「保育者自身が、年々成長していくような気がします。子どもと一緒に考えていくから、子どもたちのことをよく見てよく声を聞くし、正解がないから試行錯誤もたくさんする。考えないといけないわけですから、それは育ちますよ」
本町の保育・教育にも参考になること、学ぶことが多々ありました。
今回の訪問には、教育子ども部教育推進課の「みづまろキッズプラン」担当2名も同行しました。
保育・教育現場へのフィードバックを行うとともに「みづまろキッズプラン」にも活かしてまいります。
長時間の訪問にあたたかく対応いただき、ありがとうございました。
(中村りか)