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教育長ブログ~信州大学教育学部附属松本学校園(後)~

ページID:014801 更新日:2022年11月16日更新 印刷ページ表示

 前回に続き「信州大学附属松本学校園」について、取組内容の一端を紹介します。
 松本学校園は文部科学省研究開発指定校であり、幼小中一貫教育のためのカリキュラム開発に取り組まれています。

 2016年度から研究に取り組まれたとのこと。
 幼・小・中という文化が異なる学校園種で一緒に研究を進めてこられましたが、「水脈」を顕在化するのが至難の業だったそうです。

松本学校園 松本学校園

 教職員は園児の遊びに打ち込む姿の中に学校園を貫く何かがあると考え、園児の姿から見えてきた“良さ”から以下の3点を子どもを観る視点としました。

 「観て、聴いて、感じたことを自分らしく表現する姿」
 「自分なりにこだわりのある問や願いをもち、粘り強くはたらきかけ続け、物事の本質を見きわめていく姿」
 「多様な価値観をもつ他者と共通の目的のために協働する力」

 以上の姿を「自己表現力」「課題探究力」「社会参画力」という「3つの力」として定めました。

松本学校園 松本学校園

 共同で研究を進めるうち、小学校教職員から次のような声が……。
 「園児が自分の思いを叶えようとあらゆる方法を試しながら挑んでいく姿を、私たちはつぶしていないだろうか。領域化することで、もっと子どもの思いや願いを支える環境を構成できるのかもしれない」

 「就学前の主体的な遊びで育んできた良さを継続しながら、教科の枠を緩やかに捉えることで、子どもの『思いや願い、問い』を支え、子どもが力を発揮する活動をより一層展開することができるのではないか」

 松本学校園では小学校1年生~3年生まで教科はなく、「学びの領域」として4つの「ことば」「かがく」「くらし」「ひょうげん」が設定されています。
 幼児期に育まれてきている学びの萌芽と従来の教科での学びに着目し、緩やかに統合していく視点からです。

松本学校園 松本学校園

 昨年度参観した2年生「ひょうげん」の授業。
国語科教材 「スイミー」で様々な比喩表現を学んだ後、思い思いの素材で海の生物を作成し教室全体を海底に変身させている子どもの姿がありました。

 幼児期の【遊び】における環境構成を小学校でも可能な限り持続できればいいと思います。

松本学校園 松本学校園

 公立学校で教科枠を外すということは難しいでしょうが、日課や1単位時間を柔軟に調整したり、様々な材料や道具を常設する場所を用意したり、活動場所を教室に限らず広く捉えたりする等、環境を整えることはできるでしょう。
 また、子どもの「思いや願い、問い」を教科横断的に概観する中で吟味し、ねらいを持って子どもに応じた単元構成を考案することも意識的に取り組めたらと思います。

 (中村りか)

 

 

          
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