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緊急事態宣言が9月12日まで延長されました。
12日までに予定されている修学旅行等は原則延期となります。学校行事等のあり方を検討するとともに、自宅待機児童へのオンラインを活用した学習支援も想定しつつ、感染症対策の徹底を図ってまいります。また、今後様子を見ながら状況に応じた対応を適宜実施いたします。
8月19日(木曜日)、14時より第一幼稚園において「第3回みづまろキッズプラン策定委員研修会」を開催しました。(大阪大谷大学 小谷卓也教授を招聘)
前回のブログで紹介した「浮き沈み遊び」。
本研修会までに実際に保育所で試行しました。(0歳児、2歳児、5歳児対象)
研修会前半は、動画を交えながらその時の様子を紹介。そして、講師の先生が子どもたちの実際の様子を分析しながら、発達年齢ごとに「学びの過程」をお話しくださいました。
遊びの材料としてはピーマン、みかん、人参、ジャガイモ等の野菜の他、洗濯ばさみやプラスチックボール等、「浮くもの」「沈むもの」とそれらを浮かべる「水槽」。
以下簡単に発達段階ごとに、その様子を紹介します。
0歳児
両手を使うのは難しく、片手で興味を持った材料を次々に水槽に落としていきます。保育士が水から戻すと、また延々と興味が尽きることなく繰り返します。
0歳児なりに気づきがあるようで、浮くものが続いたあと、ある材料が沈んだ時には「ハッ」と驚いたような表情を浮かべるそう。言葉はまだ出ないけれど、体全体で表現しています。
2歳児
浮くか沈むか「予想する」姿が見られるそうです。水槽に「入れる」⇒「取り出す」⇒「入れる」を何度も繰り返します。そのうち野菜を洗ったり、洗濯バサミをピーラーに見立てて野菜の皮むきをしたり、という仕草で遊びを楽しみ始めます。浮き沈み遊びの発展形ですね。講師の先生によると、このような経験が就学後の教科横断的学習にもつながっていくとのこと。
5歳児
水槽を上から見たり横から見たり、立ち上がって高いところから材料を落としたり……。そして、材料を注視する姿も見られます。講師の先生によると「なぜ浮くのか」「なぜ沈むのか」を考えているとのこと。この「なぜ」を自分で見出していく経験、そして手で重さを感じる、体感することを経て、就学後の「質量」の理解を始めとする教科学習につながっていくのでしょう。
研修会後半は、「空気遊び」を保育士、幼稚園・小学校教職員協働で行いました。
子どもたちが納得するまで試行錯誤を繰り返すことが大切。そのためのたっぷりした時間、落ち着いて遊べるスペース、そして大人……。
「保育士と子どもたちとの信頼関係があるからこそ、たとえ初めての遊びであっても、知らない参観者がいても安心して遊び込める」という保育士さんの言葉が印象的でした。
いくら環境が整っても、子どもたちが「この人にこそ自分の気づいたことを聞いてほしい」と思うような関係性が育っていないと、その子の持つ個性や力が十分に発揮できない。これは、就学後の教育の場でもいえることですね。
大人は、ついつい先回りして言葉をかけたり手を出したりしてしまいがちです。
「見守る」「待つ」という姿勢……、この点も就学前の保育・教育から学びたいものです。
(中村りか)