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10月16日(土曜日)、町立図書館では3つのイベントが開催されました。(子ども19名、大人17名参加)
最初のイベントは11時から開催された「あきのおはなしかい」
「絵本の読み聞かせ」「パネルシアター」「手遊び」etc. ボランティアの方々の工夫を凝らした構成が、子どもも大人もおはなしの世界に心遊ばせる時間と空間を生み出していました。
「食欲の秋」ということで、お話の中でおいしそうな食べ物が登場すると「おいしそう!」の声が溢れました。プログラムの一つに「ぐりとぐら」もありました。この作品はロングセラーですね。幼い頃、挿絵に描かれた「巨大カステラ」を見て、「つくってほしい」と母にねだったことを思い出しました。
午後から開催されたのは「大人のためのおはなし会」
大人向けのストーリーテリングによる「おはなし会」です。(ストーリーテリングとは語り手が物語を覚えて語り聞かせることで、「素話」ともいいます。13名参加)
参加者の感想を紹介します。
「コロナ禍の中で引きこもり状態で情報もあまりない中、久しぶりに大勢の中でのひととき、とてもリラックスしてストレス解消になり、リフレッシュしました」
その後開催されたのは「読書のための音楽時間~BGM live~」
「館内に流れる音楽を背景に、癒しの本の時間をお楽しみください」のコンセプトのもと、BGM生演奏が行われました。登場した楽器は「アイリッシュハープ」「ハンマーダルシマー」です。
アイリッシュハープは小型のハープです。参加者の中には「弦が弾かれ音が響いた瞬間、ふと穏やかな気持ちになった」という感想も。ハンマーダルシマーはピアノの親戚ともいわれ、台形の木に金属製の弦を張って、小さなハンマーで叩くことで音を出します。古風な音色が味わい深い。
静かに流れるBGMを背景に読書を楽しむ方もいれば、演奏に耳を傾ける方も。
様々な「芸術の秋」を堪能できた一日でした。
世界の昔話などを集めた「おはなしのろうそく」シリーズに次のような前書きがあります。
「お話は、おとなが子どもにおくることのできる、いちばんいのちの長い贈りものだと思います」
物語の世界に遊んでいるときに膨らんだ想像と、語る人の「声とぬくもり」は子どもの内にずっと残ると思うのです。大人が自分のために時間をくれる。そこから言葉や人への信頼が生まれ、それは血の通った言葉の担い手となる芽になることでしょう。
秋の夜長に読み聞かせはいかがでしょう。
(中村りか)