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教育長ブログ ~鬼の話~

ページID:001796 更新日:2021年12月16日更新 印刷ページ表示

 体を青でペインティングして「青おにやぁ。」

 以前のブログで、比喩表現は2歳児の段階から使われ始めるということを紹介しましたが、子どもたちにとって「鬼」は身近な存在のようです。

鬼の子シリーズ

「おにの子 あかたろうシリーズ」(文・絵 きたやま ようこ 偕成社)

 第二保育所の2歳児さんの大好きな絵本です。その年齢の子どもって、架空のものたちや空想の世界とすんなり往き来できるのでしょうか。彼らが信じていることの一つに……天王山には鬼がいる。

 新潟県三条市本成寺の節分踊りでは五色の鬼たちが登場するとか。鬼はなぜカラフルなのか。
 五色の鬼たちは人間の煩悩の化身で、赤は「全ての悪い心」、青は「怒り」、黒は「猜疑」、黄は「甘え」、緑は「奢り」を表しているとか。

 「鬼」とは、人間の心の中に潜むものでもあるのでしょう。

 保育所の子どもたち、節分の時には鬼の的をめがけて豆を投げるそうです。なんとその鬼の的は、意地悪な気持ちやずるさの化身で「自分の中の弱い部分は出ていけ!」という思いで豆まきをしているとか。

 また、鬼は悪の権化のイメージがありますが、「いろんな鬼に出会って欲しい!」という保育士の思いもあり、子どもたちの周りには様々な鬼が登場する絵本も用意されているそうです。

おにたのぼうし

「おにたのぼうし」(文 あまん きみこ 絵 いわさき ちひろ ポプラ社)

 心やさしい鬼が登場する作品。好きな絵本の一つです。
 人間と仲良くなりたい主人公が、つのかくしのぼうしをかぶって人間界に近づきます。でも、結局鬼は悪いもの、異質のものとして排除する(豆が撒かれる)世界。
 小学校高学年にもなれば、排他的な人間の性(さが)を感じるかもしれません。いわさきちひろさんのパステル調の美しい挿絵とあいまって切ない。上質の絵本に年齢の上限はないと言われますが、大人も考えさせられます。

 昨年はアニメの影響もあり、子どもたちの間で「鬼」が話題にのぼることもあったとか。絵本等を通して、鬼をはじめ異界のものと出会ったり、異世界や異空間で心遊ばせたりしてほしいものです。

ふきのは
 さて、冒頭の比喩表現に話を戻して……。
 玄関先に飾られたフキの葉を見て、4歳児の男の子が

 「カエルのカサのはっぱやなあ。」

 ふと目にした植物を「〇〇みたい」と楽しめる気持ちや気づき。見立てることで、また世界が広がります。

(中村りか)

          
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