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認知症とは
認知症とは、脳やからだのさまざまな病気によって、普段の社会生活に支障をきたすような状態の総称です。
記憶力や見当識(時間・場所・人を識別できること)、判断力、計画力に障害がみられます。
認知症は単に「老化によるもの忘れ」とは違い、脳の病気です。今や誰でもなる可能性のある身近な病気です。
加齢による物忘れと認知症の違いは?
加齢による物忘れ
- 体験や出来事を部分的に忘れる
- 食事のメニューが思い出せない
- 約束の日時を思い出せない
- 物忘れの自覚がある
認知症の物忘れ
- 体験や出来事の全体を忘れる
- 約束したこと自体を忘れてしまう
- 物忘れの自覚が乏しい
- 目の前の人が誰なのかわからない
認知症の主な種類
認知症には、その原因などによりいくつかの種類があります。
1.アルツハイマー型認知症(67.6パーセント)
認知症の半分以上を占める一番多い病気です。
傾向や特徴
- 物忘れが代表的な症状。機能低下は全般的に、ゆっくりと進行することが多い。
- 忘れたり、わからないことに対して取り繕うため、周囲の人が気づきにくい。
- 進行すると時間の感覚や季節感、場所がわからなくなる。
2.脳血管性認知症(19.5パーセント)
脳梗塞や脳出血など脳血管疾患が原因です。損傷を受けた部分の脳の機能が失われます。再発のたびに進行するので再発予防が重要です。
傾向や特徴
- 片麻痺や言語障害など神経障害を伴うことが多い。
- アルツハイマー型と比べて早くから歩行障害がでやすい。
- ちょっとしたことで泣いたり、怒ったりすることがある。
3.レビー小体型認知症(4.3パーセント)
初期は物忘れがあまり目立たないこともあります。
傾向や特徴
- しっかりしている時と寝ぼけているような時を繰り返すなど症状が変動しやすい。
- ありありとした「幻視」があらわれることがある。
- 手足のふるえ、こわばり、小刻み歩行(パーキンソン症状)が見られることがある。
4.前頭側頭葉型認知症(1.0パーセント)
特に初期はあまり物忘れが目立ちません。
傾向や特徴
- 会話中に突然立ち去る、万引きをする等、社会行動に違反する行動をすることがある。
- 同じパターンの行動や、同じ言葉を繰り返したりする。
注釈:その他(7.6パーセント)
注釈:認知症施策の総合的な推進について(参考資料)より一部抜粋
認知症が疑われるサイン(チェックリスト)
- 同じことを言ったり、聞いたりするようになった
- 身近な人や物の名前が出てこなくなった
- 置き忘れやしまい忘れが目立つようになった
- 今まで好きだった趣味などへの興味や関心がなくなった
- 日課をしなくなった
- だらしなくなった、みだしなみに気をつかわなくなった
- 時間や場所の感覚が不確かになった、慣れているところで道に迷った
- 今までできていた家事や計算、運転のミスが多くなった など
上記を参考に、「認知症かもしれない」というサインに早めに気づき、かかりつけ医や各種相談窓口に相談しましょう。
若年性認知症ってご存じですか?
認知症は、加齢とともに発症するリスクが高くなる疾患です。しかし年齢が若くても発症することがあり、65歳未満で発症した場合は「若年性認知症」といいます。
主に40歳~50歳代の働き盛りの世代で発症するため、職を失ったり、経済的な問題に直面することも少なくありません。「認知症かな?」と気になったり、心配な事があれば、気軽に相談してくださいね。
若年性認知症コールセンターのホームページ<外部リンク>
認知症になっても自分らしく生活できます
認知症でたちまちすべてのことができなくなるわけではありません。その方が培ってきた能力が多く残っています。ちょっとした支えや工夫で、その人らしく生活している方もたくさんいます。
認知症になっても住み慣れた地域で自分らしく生活されている方のメッセージ動画を是非、ご覧ください。
認知症の人からのメッセージ動画<外部リンク>