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たばこと健康
たばこによる健康影響
たばこの煙にはニコチン、種々の発がん物質・発がん促進物質、一酸化炭素、その他多種類の有害物質が含まれていて、さまざまな病気にかかってしまうリスクが高まります。
喫煙男性は、非喫煙者に比べて肺がんによる死亡率が約4.5倍高くなります。それ以外の多くのがんについても、喫煙による危険性が増大することが報告されています。
たばこは認知症の原因にも!喫煙すると認知症になる危険が2~3倍高まります。認知症の中で頻度の高いアルツハイマー病と脳血管性認知症のいずれとも関係します。
たばこの煙
- 「主流煙(しゅりゅうえん)」…たばこの煙のうち、フィルターなど吸い口から喫煙者が吸い込む煙
- 「呼出煙(こしゅつえん)」…喫煙者が吸って吐き出した煙
- 「副流煙(ふくりゅうえん)」…火が付いた部分から立ち上がる煙
煙に含まれる発がん性物質などの有害物質は主流煙よりも、副流煙に多く含まれるものがあります
受動喫煙
たばこの煙による健康への悪影響は喫煙者本人にとどまりません。
自分がたばこに火をつけて吸わなくても、他人の吸っているたばこの煙(呼出煙と副流煙)を吸ってしまうことが「受動喫煙」です。
受動喫煙による健康影響は、「涙が出る」、「頭が痛い」といった症状だけでなく、次のような悪影響が報告されています。
- 肺がんや虚血性心疾患などによる死亡率などが上昇する
- 妊娠中の女性は、低出生体重児出産の発生率が上昇する
- 子どもは、喘息、気管支炎と関連がある
- 乳児は、乳幼児突然死症候群と関連がある
「三次喫煙」ってなに?
たばこを消した後に残る化学物質を吸うことを「三次喫煙」といいます。
三次喫煙は新しい概念であるため、研究はまだ少なく、健康影響についてもまだ明らかではありませんが、喫煙者の髪の毛・衣類・部屋や自動車のソファやカーペット、カーテンなどの表面に付着し残ったタバコ由来のニコチンや化学物質が、反応、再放散したものが汚染源となり、三次喫煙が発生すると考えられています。
受動喫煙・三次喫煙を防ごう!
三次喫煙を防ぐ方法は室内を完全禁煙にすることです!!
受動喫煙を効果的に減らすためには、職場に加えて、家庭での受動喫煙を減らすためには、家の中や自動車内でたばこを吸わないことが望まれます。
換気扇の下で吸う、空気清浄機のそばで吸う、車の窓を開けて吸うといった対策では不十分です。最も効果的な対策は禁煙です!
たばこの煙は、たばこを吸わない周囲の人々の健康にも大きなダメージを与えます。
受動喫煙、三次喫煙が健康に影響することを知って、あなたや大切な人たちの健康を守りましょう。
加熱式たばこは安心なの?
加熱式たばこは喫煙者本人および周囲への健康影響や臭いなどが紙巻たばこより少ないという期待から、使い始める人が多くいます。しかし、加熱式たばこも健康被害へのリスクを高める可能性は否定できず、たばこの安全な代替品とはならないことが指摘されています。
加熱式たばこは、たばこの葉を加熱して使います。そのときエアロゾルが発生します。それには紙巻きたばこと同じように、ニコチンなどが含まれています。もし紙巻きたばこを加熱式たばこにかえても、ニコチン依存は続いてしまいます。
加熱式たばこにも発がん性物質をはじめ、多くの種類の有害物質が含まれています。有害物質がもし少ないとしても、たばこに含まれる有害物質の影響に安全域はありません。紙巻きたばこと比べて病気のリスクを減らすという根拠はありません。
加熱式たばこで自分や周囲の健康に配慮していると思うかもしれませんが、加熱式たばこであっても有害物質は含まれ、受動喫煙も発生します。
受動喫煙防止のための法律や条例ができています
- 健康増進法の一部を改正する法律(令和2年4月全面施行)
望まない受動喫煙の防止を図るため、多数の者が利用する施設等の区分に応じ、当該施設等の一定の場所を除き喫煙を禁止する、健康増進法の一部を改正する法律が施行されました。 - 大阪府受動喫煙防止条例(令和7年4月全面施行)
望まない受動喫煙の防止に向けた機運が高まる中、大阪府では、府民の健康の保持増進に向けた一層の受動喫煙の防止に向けた対策として、大阪府受動喫煙防止条例が制定されました。 - 大阪府子どもの受動喫煙防止条例(平成30年12月13日施行)
子どもは自らの意思で受動喫煙を避けることが困難です。社会全体で子どもを受動喫煙から守り、府民の健康で快適な生活の維持を図ることを目的として、大阪府子どもの受動喫煙防止条例が施行されました。
喫煙するときはマナーを守りましょう
受動喫煙を防ぐために…
- 駅前など人通りの多いところでの喫煙はやめましょう
- 子どもの近くでは、吸わない、吸わせないようにしましょう
- 歩行中や自転車走行中の喫煙はやめましょう
ポイ捨ては犯罪です!
- たばこの吸い殻や灰のポイ捨ては絶対にやめましょう
- たばこは指定された場所で吸いましょう
- 厚生労働省 たばこと健康に関する情報ページ<外部リンク>
- 厚生労働省 e-ヘルスネット<外部リンク>
- 大阪府 たばこ対策<外部リンク>