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フッ化物(フッ素)塗布でむし歯予防~1歳6か月児健診で無料実施~
町の1歳6か月児健診では、令和7年4月から歯科医によるフッ化物(フッ素)の歯面塗布を希望者に無料実施します。
フッ化物(フッ素)を歯面に塗布することで、むし歯を予防したり初期むし歯の進行を遅らせることができます。
ただし、その効果は永久ではありませんので、毎日の歯みがきと定期的な歯科健診を心がけましょう。
フッ化物(フッ素)とは
フッ素はヒトの身体を構成する元素の一つです。
動植物、大気、水、土壌など身の回りの様々なところに存在し、地球の地殻の全元素(92元素)中で13番目に多く存在しています。
日常的にはフッ素は単体では存在せず、他の元素と結合しフッ素化合物(フッ化物)として食品や工業製品に活用されています。
むし歯予防に活用するフッ化物(フッ素)は、無機のフッ素化合物(無機フッ化物)です。工業用に使用される有機フッ化物とは異なり、自然界で存在する蛍石や水晶等を精製したフッ化物ナトリウム(NaF)などの無機フッ化物を使用しています。
市販の歯みがき剤にもフッ化物(フッ素)を配合しむし歯予防効果を表示しているものがあります。
フッ化物(フッ素)の効果
1 歯を強くする
フッ化物(フッ素)が歯のエナメル質に取り込まれると、フルオロアパタイトという硬い構造になり歯を強くします
2 歯の再石灰化を促進する
フッ化物(フッ素)が歯から溶け出したカルシウムやリン酸を取り込みやすくし、再石灰化が促進されます
3 むし歯菌の力を弱める
フッ化物(フッ素)がむし歯菌の力を弱めて菌が出す酸の量を減らし、むし歯を防ぎます
1歳6か月児健診でフッ化物(フッ素)塗布をする理由
この数年の乳幼児健診の実施状況を確認すると、1歳6か月児健診でむし歯のある子はほぼいませんが、3歳6か月児健診ではむし歯のある子がいます。また、むし歯は1本だけでなく複数本ある子がいることがわかります。
生えたての歯は表面が未熟でやわらかいので、むし歯ができる前にフッ化物(フッ素)を歯面に塗布することで歯を強くし、むし歯予防の効果があると考えられています。
島本町 |
むし歯のある児数(人) A |
むし歯総本数(本) |
受診者数(人) B |
むし歯有病率 A/B×100 |
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令和元年度 1歳6か月児健診 | 0 | 0 | 276 | 0% |
3歳6か月児健診 | 22 | 80 | 262 | 8.4% |
令和2年度 1歳6か月児健診 | 0 | 0 | 324 | 0% |
3歳6か月児健診 | 23 | 43 | 320 | 7.2% |
令和3年度 1歳6か月児健診 | 0 | 0 | 292 | 0% |
3歳6か月児健診 | 33 | 88 | 320 | 10.3% |
令和4年度 1歳6か月児健診 | 0 | 0 | 276 | 0% |
3歳6か月児健診 | 12 | 27 | 291 | 4.1% |
令和5年度 1歳6か月児健診 | 1 | 2 | 242 | 0.4% |
3歳6か月児健診 | 21 | 53 | 294 | 7.1% |
フッ化物(フッ素)塗布についての注意点
1歳6か月児健診では、保護者のかたに次のことをお願いしています。
問診票を記入してきてください
問診でフッ化物(フッ素)塗布を希望するかどうかを確認しています。
かかりつけ歯科で定期的にフッ化物(フッ素)塗布を受けているなど今回の健診で塗布を希望しない場合は、健康診査票の問診欄に記入いただき、保健師や歯科医(または歯科衛生士)にお伝えください。
※健康診査票は、1歳6か月児健診の案内とともに対象となるお子さんのご家庭へ送付しています
来所前に歯みがきをしてきてください
歯面が汚れていると、フッ化物(フッ素)を塗布しても効果がありません。
歯みがきをしてから受診してください。
1歳6か月児健診での歯科健診、フッ化物(フッ素)塗布の手順
- 問診・・・保健師と歯科医(または歯科衛生士)がそれぞれ健康診査票の問診欄を確認します
- 歯科健診・・・歯科医が口の中を診察します
- 歯面乾燥・・・歯科医が綿棒で歯面の水分をふき取ります
- フッ化物(フッ素)塗布・・・歯科医が綿棒でフッ化物(フッ素)の薬剤を歯面に塗布します
- 歯科相談・・・歯科医、歯科衛生士が歯や口の相談に対応します
- 歯みがき指導・・・歯科衛生士が歯みがきの仕方を指導します
※フッ化物(フッ素)歯面塗布用の薬剤(フルオール・ゼリー歯科用2%)の塗布量は、必要最小限の一人当たり1ミリリットル以下としています
フッ化物(フッ素)を塗布したあとは
- フッ化物(フッ素)が歯になじむまで、30分間は口の中をすすいだり飲食をしないでください
- フッ化物(フッ素)塗布は、継続的に行うことでより効果が高まります(通常6か月に1回、むし歯のリスクが高い場合は3、4か月に1回程度とされています)。1歳6か月児健診でフッ化物(フッ素)塗布をした後は、かかりつけ歯科医院をもち、定期的に歯科受診されることをお勧めします(有料)
- 毎日食後の歯みがきを大切にしてください
※歯科医院での受診やむし歯予防のフッ化物(フッ素)塗布にかかる費用などは、受診先の歯科医院へお問い合わせください
関連情報
- 厚生労働省e-ヘルスネット:「フッ化物歯面塗布」<外部リンク>
- 日本歯科医師会:「お口の予防とケア フッ化物」<外部リンク>
- 公益社団法人日本小児歯科学会:「フッ化物の局所応用についての考え方」<外部リンク>
- 公益社団法人日本小児歯科学会:「有害化学物質PFAS(ピーファス)と歯科で使用する無機フッ素化合物について」<外部リンク>