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バランスシート(平成19年度分)
バランスシートとは、財産と債務のバランスを見やすくまとめた表で、ある時点での財政状態を示すものです。貸借対照表とも呼ばれています。バランスシートは、民間の企業会計で使われる財務指標の一つです。
町の現行の会計方式では1年間の現金の出入り(歳入・歳出)しか表示されませんが、企業会計的な考え方を取り入れたバランスシートでは、基準日現在の町の総資産の内訳が金額で示され、それに対し今後支払いが必要となるもの(負債)、必要のないもの(正味資産)がどれくらいあるかが分類され、財政状況の全体像を把握することができます。なお、地方公共団体では、民間企業とその目的や形態、性質、会計制度等が異なるため、必ずしも民間企業等のバランスシートと比較することはできません。
資産は、後世に引き継ぐ「住民の財産」です。道路、公園、図書館等の社会資本や現金預金等があります。負債は、後世の「住民の負担」です。町債(地方債)や将来支払われる退職手当等があります。
負債が資産を超過すると、後世に負担を先送りすることになります。
バランスシートの作成基準
本町のバランスシートは、総務省方式に基づき、次の基準で作成しています。
1.対象会計
普通会計(一般会計、土地取得事業特別会計、大沢地区特設水道施設事業特別会計、交通傷害補償特別会計)
2.作成基準日
平成20年3月31日(平成19年度末)
出納整理期間における出納については、作成基準日までに終了したものとして処理しています。
3.基礎数値
昭和44年度以降の地方財政状況調査のデータを使用しています。したがって昭和43年度以前の事業費は含みません。
平成19年度と平成18年度の比較バランスシート
年度比較のバランスシート(19年度と18年度)(PDF:12.2KB)
平成19年度バランスシートの概要
- 資産の部
「資産」の総額は、517億47万4千円でした。このうち、有形固定資産が466億17万8千円(資産総額の90.1%)、投資等が17億9195万円(同3.5%)、流動資産が33億834万6千円(同6.4%)となっています。
なお、投資等及び流動資産については、職員の退職金、町債一括償還、その他財源不足により、多額の基金を取り崩したため、資産の部は前年度比大幅に減少しました。 - 負債の部
「資産」に対し、これから返済・支出する必要があるものを計上する「負債」の総額は、161億2496万6千円(資産総額の31.2%)でした。このうち、固定負債が150億5212万8千円(同29.1%)、流動負債が10億7283万8千円(同2.1%)となっています。
なお、固定負債は、公債費対策を実施しているため、長期債務及び短期債務とも、前年度比大幅に減少しました。 - 正味資産の部
資産に対し、これまでの世代が既に負担し、今後返済の必要がない「正味資産」の総額は、355億7550万8千円(資産総額の68.8%)でした。このうち、国庫支出金が44億6855万9千円(同8.6%)、府支出金が15億5647万8千円(同3.0%)、一般財源等が295億5047万1千円(同57.2%)となっています。 - 住民一人当たりのバランスシート
バランスシートを住民一人当たりに換算すると、資産総額が174万9千円、このうち有形固定資産が157万6千円、投資等が6万1千円、流動資産が11万2千円になります。一方、負債総額は54万5千円で、このうち固定負債が50万9千円、流動負債が3万6千円になります。正味資産は120万4千円で、このうち国庫・府支出金が20万4千円、一般財源等が100万円になります。
(平成20年3月31日現在の総人口(29,562人)により算出)
各項目についての説明
【借方】行政サービスを提供するための社会資本の現在高
- 資産
行政サービスを提供するために用いられる資源 - 有形固定資産
資産の内長期的に保有するもので短期間に回収されない資産で、この表では昭和44年度から作成年度までの普通建設事業費を行政目的別に累計し、土地を除く事業費については耐用年数により、定額法による減価償却をおこない集計した。
(例)土木費-道路、公園等 教育費-学校校舎、プール等 - 投資等
出資金、町貸付金、行政目的のために財産を維持し資金を積み立てる特定目的基金、定額の資金を運用する定額運用基金年度末残高 - 流動資産
基準日において保有している現金、預金(財政調整基金及び減債基金等を含む)と未収金(町税等で基準日までに収入されなかったもの)
【貸方】社会資本形成に必要とされた財源の内訳
- 負債
資産を獲得するために調達した財源の内、将来確実に弁済を要するもの - 固定負債
負債の内支払期限が1年を超えて到来するもので、地方債は翌々年度以降に予定されている元金の返済額、退職給与引当金は作成年度末に全職員(年度末退職者を除く)が普通退職した場合の退職手当総額 - (うち臨時税収補てん債、減税補てん債、臨時財政対策債分)
減税や普通交付税等の振り替え措置として国の制度上、一般財源の補てんのために発行した地方債 - 流動負債
負債の内支払期限が1年以内に到来するもの - 正味資産
資産を獲得するために調達した財源のうち、将来弁済を要しないもの(営利活動を目的としない地方公共団体のバランスシートであるため、「資本」・「持分」ではなく「正味資産」と表記する) - 国庫支出金
昭和44年度から作成年度までの普通建設事業に充てられた国庫支出金の累計額、ただし用地取得費に充てられたもの以外は減価償却しています。 - 都道府県支出金
昭和44年度から作成年度までの普通建設事業に充てられた都道府県支出金の累計額、ただし用地取得費に充てられたもの以外は減価償却しています。 - 一般財源等
資産を形成するために、これまでの世代によって既に負担された税金等 - 債務負担行為に係る補償費等
町が予算以外に債務を負担している金額のうち翌年度以降で支出が予定されているもの
バランスシートの分析
1.有形固定資産の行政目的別割合
平成19年度有形固定資産行政目的別割合(PDF:23KB)
2.社会資本形成の世代間負担率
社会資本整備の結果を示す「有形固定資産」のうち、正味資産によって形成されている比率です。
正味資産は、主に今までの世代の負担により形成された社会資本の額を指していることから、この比率はこれまでの世代によって既に納付された税金等によって社会資本が形成された割合を示すものであり、この比率が高いほど、将来世代の負担分が少ないといえます。
平成19年度末
- 有形固定資産残高(a)46,600,178千円
- 正味資産合計(b)35,575,508千円
- 負債合計(c)16,124,966千円
- これまでの世代による社会資本負担比率(b/a)76.3%
平成18年度末
- 有形固定資産残高(a)46,418,813千円
- 正味資産合計(b)36,250,633千円
- 負債合計(c)16,533,501千円
- これまでの世代による社会資本負担比率(b/a)78.1%
平成19年度末の「これまでの世代による社会資本負担比率」は1.8%下落しています。これは、有形固定資産でJR島本駅関連の資産取得があったものの、主に基金の取崩しに伴い流動資産が減少し、正味資産が減ったことによります。
3.住民一人当たりの比較
住民一人当たりの社会資本形成は(a)割る総人口、負債額は(c)割る総人口で表します(20年3月末総人口29,562人、19年3月末総人口29,315人により算出)。
平成19年度末
- 住民一人当たりの社会資本形成 1,576千円
- 住民一人当たりの負債額 545千円
平成18年度末
- 住民一人当たりの社会資本形成 1,583千円
- 住民一人当たりの負債額 564千円
社会資本形成は、JR島本駅関連、学校施設整備等、新たな資産を取得していますが、分母となる人口が増加となったため計算上は減少となりました。
負債額では、町債(借金)の発行を抑制や早期の一括償還を実施した結果、町債(借金)残高が減少しており、前年度に引き続き改善しました。