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今回は第三小学校の様子を紹介します。
朝の登校時、なかなか学校へ足が向かなくてぐずっている1年生に、優しく寄り添って声をかけてくださる見守りの方々。また、登校中の子どもたちの気になる様子、ちょっとしたエピソードを学校に伝えてくださる等、学校の強い味方でもあります。
第三小学校の玄関を入ると6年生の作品が掲示されており、近くには、手にとってみたくなるように関連図書も置かれていました。
掲示されている作品は昨年の5年生が学年末に作成したもの。
国語科説明文教材「想像力のスイッチを入れよう」の学習が基盤になっています。
説明文の学習の後、筆者の下村健一さんが出版された『窓を広げて考えよう』という本をもとにして、自分たちの身の回りで起こりそうな「決めつけ」や「思い込み」をまとめました。
情報の見方について、そして情報発信者になる時に想像力を働かせることがいかに大切か、あらためて考えさせられる一冊です。
(『窓を広げて考えよう』 下村健一 著 かもがわ出版)
ちなみに掲示用ラミネート作成や関連図書の配置は、学校図書館司書によるものだそうです。
図書室だけではなく学校全体に目を配り、子どもたちの読書環境を整えるのも学校図書館司書の役割なんですね。
作品を制作するというゴールを設定することで、レイアウトも含め内容について必然的に深く考えることになるでしょう。
また「決めつけをやめよう」「広い視野に立って物事を見よう」という人権教育、道徳教育の観点も入っての学習が構成されています。
子どもたちが必然性を持ちながら学びをデザインしていく……。
その一つの方法が、このように一つのテーマに様々な教科・領域をリンクさせること。
教科横断的な学びの構成は、今後さらに求められると思います。
職員室の前には学校目標が掲示されていました。
「学校目標、そして育てたい子ども像、育てたい力を教職員と共に創り共有していきたい」
下村聡美校長先生の抱負です。
このように視覚化することで学校のめざす方向、大切にされるべきものが教職員に共通認識されるでしょう。
また、折に触れ「何のために?」と、教育活動の意味が問い直されますね。
(中村りか)