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道端にそっと息づく春の草花を愛でる、お散歩途中の子どもたちをよく見かけます。
保育所に帰ってから草花事典で名前を調べ、写真を掲示。
名前を知ることで世界が広がり、豊かになったような気持ちになります。
お部屋の前には活動のエピソードと写真が掲示されており、お迎えに来られた保護者の方にも活動の様子がわかっていただけますね。
午後からの5歳児さんの活動で設けられている「サークルタイム」。
大きなホワイトボードを前に、子どもたちが車座になって対話をする時間です。
この日のサークルタイムの内容は、野菜を育てることについて。
保育者があらかじめ決めるのではなく、子どもたちに育てたい野菜を尋ねることから始めます。
そして、名前の挙がった野菜でつくりたい料理へ、また鳥や虫、人間(年下の幼児さん)から守るためにはどうしたらいいか、と話が広がります。(看板をつくっては?という意見が出ていました)
子どもたちの思い思いのつぶやきを、保育者はイラストにしたり、整理してメモしたりしながら視覚化していきます。
友だちとの距離も近く、話しやすい和やかな雰囲気。
ホワイトボードを日常的に活用して対話を行うという活動は、就学後も有効でしょう。
教育の目的の一つは「自他の意見を尊重する(他者の自由を侵害しない限りにおいて)」でしょう。
そのためには、他者に対して自分の考えをわかりやすく論理的に、また可能な限り根拠を示しながら他者に伝える場を設定する必要があります。
「サークルタイム」の活動を参観して、就学後に繋がる一本の道が見えたように思いました。
(中村りか)