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先月の学校訪問での協議会の際、「チャットGPT」が話題にあがりました。
今後、学校現場での利用に向けた対応について議論されることでしょう。
下記は、国立情報研究所教授 新井紀子氏が「チャットGPT 子どもに使わせるべき?」というタイトルで新聞に寄せられた記事から抜粋したものです。
「二次元の世界には、においも舌触りも手触りもありません。そもそも平面的なものを立体的にみようというのは、無理があります」(5月29日付 朝日新聞)
新井氏はチャットGPTの効用にもふれつつ、読解力を「読んだときに、読んだことが意味として立ち上がる感じ」としてその育成の大切さを述べられています。
「言葉の意味」ということについて考えてみました。
例えば「潮騒」という言葉。
ネットで調べても言葉の意味はわかります。⇒「寄せ来る波が立てる音」
でも、大海原を前にして磯の香、頬をなでる潮風、砂浜の砂の手触り、砕け散る波の音、大自然を前にしてゾクゾクするような体の奥から感じる体感……、それらを全部五感で感じながら「潮騒」という言葉の意味を捉えるのとでは、自ずから違ってくるのではないでしょうか。
就学以前は、五感を通して習得していたであろう「言葉」。
小学校に入学すると、グンと抽象度が増します。
入門期は、その点についての配慮も必要でしょう。
「みづまろキッズプラン」は「かがく遊び」を基盤として進められていますが、「言葉の力」の育成にも目を向けていきたいと思います。生き生きとした息づかいが感じられる言葉を自らの内に持ち、表現できる力を。
子どもたちが、将来「豊かな言葉の担い手」になるように。
(中村りか)