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夏休み前、下校中の子どもたちとすれ違った時のこと。
「スイミー」とその仲間に分かれて、それぞれの役を演じながらの下校風景を見ました。
うだるような暑さの中、海中を泳いでる子どもたちは気持ちよさそう。
「スイミー~ちいさなかしこいさかなのはなし~」(レオ=レオニ作・谷川俊太郎訳)は、小学校2年生の国語科教科書に掲載されており、6~7月の初夏に出会う作品です。
授業実践を2つ紹介します。
1つめは、第一小学校2年生の実践。
学校の研究テーマは、「協働的な学びの中で考えを深める~自分の思いや考えを表現する言語活動を通して~」。
本実践では、道徳や特別活動の時間に使用した「もちあじカード」を使って、スイミーの人物像を捉えるという活動もありました。
他教科で学んだ方法を国語科でも活用したのですね。
イメージを膨らませて読むことも大切ですが、思い込みや何となくの感じで読んでしまっている場合もあります。
なぜスイミーの人物像をそのように捉えたのか、本文の叙述にかえる(根拠を示す)ことも大切です。
また、本作品には比喩表現が随所にあります。
例えば「水中ブルドーザーみたいないせえび」「にじ色のゼリーのようなくらげ」「風にゆれるもも色のやしの木みたいないそぎんちゃく」等々。
自分でも比喩表現を創り、自らの作文にいかせたら表現もさらに豊かになることでしょう。
「人物像」の他に「比喩」「対比」についても意識しながら、作品世界に浸りたいですね。
また、この学びを機に「フレデリック」「アレクサンダーとぜんまいねずみ」等、レオ=レオニの他の作品にも触れる並行読書へと発展してほしいです。
本実践は、複数の教科を横断的に学ぶ単元構成ですが、次回は同じく「スイミー」で図工科と関連した実践を紹介します。
(中村りか)