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「道しるべ」をめぐる(1)

ページID:028393 更新日:2025年3月4日更新 印刷ページ表示

街道を歩く・・・

 文化財こぼれ話も12回目、発掘調査に関係した話が続きましたが、今回は島本町内で見かける「道しるべ」についてお話します。

 「道しるべ」は、江戸時代頃に設置されたものを多く見ることができます。街道の分かれ道などに建てられ、方向や距離などが記され、人が迷わず目的地にたどりつく案内役として、大きな役割を果たしてきました。

 現代の道路の整備や改修等で、当初の場所から移動していたり、標示された文字の方角が目的地を指していないものもありますが、文字をたどることで、もともと建っていた場所を探し出すことができます。

 また、道案内を目的としたものばかりでなく、地名・寺社名が記されたものや建てられた時期、建てた人の名前が刻まれたものもあり、様々な目的で建てられました。

 西国街道沿いに建つ3本の「道しるべ」

 1 桜井の道しるべ  

 JR島本駅の東側に国登録有形文化財「島本町立歴史文化資料館(旧麗天館)」があります。この資料館の東側には西国街道が通っており、京都に向かって歩いていくと、西国街道とJR京都線の踏切への分れ道に建っています(桜井一丁目)。

桜井の道標  

【正面】右  柳谷 / 左  西能宮(西宮) 楚うし寺(総持寺) 道 

【右】施主名 

【左】右  京  伏見  /  山崎   道 

【 背 】慶応三丁卯年三月建之 

    【正面】           【左】           【 背 】                              

  道標①      道標②       道標③        

 柳谷は、京都府長岡京市にある楊谷寺(ようこくじ)のことで『柳谷観音さん』として親しまれ、現在も眼病(がんびょう)平癒(へいゆ)の祈願所として、厚い信仰を集めています。

  また、楚うし寺(総持寺)は大阪府茨木市にあり、西国三十三番札所として有名で、多くの巡礼者が参拝します。

 道標が建てられた頃(慶応3年)は、この「道しるべ」から鶴ケ池(島本町役場)、若山神社を通り、尺代を経て柳谷観音に向かっていました。

 ※西国街道  京(京都)から大坂(大阪)を経ないで西国(下関、九州)に至る江戸時代の重要幹線道路。 

 2 東大寺の道しるべ

   桜井の道しるべから、さらに西国街道を京都に向かい、水無瀬橋を越えて約0.1キロメートル歩くと、街道と柳谷観音へ向かう分かれ道に2本の「道しるべ」が建っています(東大寺一丁目)。

道標④

 

 

 

 

 

 

 

 

​【正面】柳谷觀世音菩薩道 廣山書 / ㊞​ 

【 右 】人名等 

【 左 】明治三十四年六月 是ヨリ三十丁 発起人名

【 背 】 寄進者名等   

 この「道しるべ」も柳谷観音への道を案内しています。ここから三十丁(約3.2キロメートル)と記されていますが、道路改修等が行われ、現在は記された距離ではたどり着くことはできません。                                     

道標6

【正面】官幣 / 大社  水無瀬神宮  左へ / 三丁 

【右】・【左】は文字なし

【 背 】昭和十四年三月一日 水無瀬神宮洗心流建之

 昭和14年(1939)は、後鳥羽天皇700年式年祭の年で、この年の3月1日には官幣中社 水無瀬宮が大社に昇格、同時に神宮と改称された年でもあります。

 ​​同じ「道しるべ」が大字山崎の国道171号沿い《【正面】官幣 / 大社  水無瀬神宮  西南 / 三丁(約0.32キロメートル)》・阪急大山崎駅前《【正面】官幣 / 大社  水無瀬神宮  西南 / 十丁(約1.09キロメートル》にもあります。

 ※式年祭 神道での法要の総称。

 ※洗心流 水無瀬神宮を家元とする華道の流派の一つ。

道標7  道標8

 「道しるべ」の中には、長い年月風雨にさらされ、刻まれた文字を読むことが難しいものもあります。資料館では記録保存のために拓本をとり保管しています。また、とった拓本を用いて立体的に復元したものを展示しています。

 

 普段は気にもとめず通り過ぎてしまう「道しるべ」も、記された文字や建てられた時期等をたどっていくと、様々なことが分かります。

 今後も町内の「道しるべ」を紹介していきますので、楽しみにお待ちください。

※一丁は距離で、約0.109キロメートル(109メートル)です。

※/(斜線)の記号は改行を表しています。

 

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