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水無瀬川は、釈迦岳南方に源流を発し、大沢~川久保(高槻市)~尺代~東大寺~広瀬を経て淀川に合流します。古くから歌枕として知られ、万葉集以来多くの歌に詠まれました。
見わたせば 山もと霞む 水無瀬川 夕は秋と 何おもひけん (後鳥羽院)
所在地 島本町東大寺
水無瀬の滝は、天王山の西尾根から発した滝谷川が、天王山断層によって落ち込んでできた高さ約20メートルの清冽な滝で、水枯れをしたことがないという。古くから歌にも詠まれ、後鳥羽上皇も観賞された記録が残っています。
水無瀬山 せきいれし滝の 秋の月 おもひ出ずるも 涙落ちけり(藤原家隆)
山崎付近から東大寺付近の山々を、むかし総称してこう呼んだようです。「みなせ山」の名は、古くから歌にも詠まれました。
水無瀬山 ほどは雲井に 遠けれど 匂ひばかり 君がまにまに(藤原定家)
水無瀬山 夕影草の 下露や 秋なく鹿の 涙なるらむ(源通光)
桂川・宇治川・木津川の3つの川は、島本町付近で合流して淀川となり、大阪湾にそそぎます。この三川合流地点は、若山神社などから見ることができます。
釈迦岳は標高631.4メートル、島本町で一番高い山です。町域の最北端近く、京都市との境界付近にあります。周辺にはポンポン山や善峯寺(京都市西京区)があり、ハイキングに訪れる人も多くいます。11世紀に善峯寺を開いた源算上人が自ら彫ったと伝わる石仏が、かつて釈迦岳の山頂に置かれていたため、釈迦岳と呼ばれていたといいます。石仏は明治13(1880)年に善峯寺に移されました。
山吹渓谷は、水無瀬川渓谷ともいい、尺代の集落から水無瀬川上流の尺代ダムに至る渓谷です。かつて、島本町の花ヤマブキが渓谷が咲き誇っていたので、そう呼ばれたといいます。
この渓谷は、両岸に比高差約150メートルの急斜面の谷壁が2キロメートル以上続いていて、壮年期のV字渓谷が見られます。
(注意)落石などの危険があり、乙女の滝から先は立入禁止となっています。
乙女の滝(おとめのたき)は、水無瀬川の上流、尺代の「山吹渓谷」にある滝です。高さ50メートルの滝は、清楚な乙女を思わせます。
尺代の集落から1キロメートルほど上流に進むと、滝があらわれます。
(注意)落石などの危険があり、乙女の滝から先は立入禁止となっています。
幹周りが約6.7メートル、高さが約20メートルで、八方に太い枝を伸ばした巨大な杉です。地元では古くから神木として大切にされてきました。樹齢は約800年といわれ、昭和52(1977)年、大阪府天然記念物に指定されました。
幹周り約3.5メートル、高さ約15メートルで、樹齢600年から700年といわれています。昭和53(1978)年、大阪府天然記念物に指定されました。
大阪府自然環境保全地域に指定された若山神社の境内西側に、幹周りが2.5メートルを超えるツブラジイの巨樹が42本自生しています。平成14(2002)年、大阪府天然記念物に指定されました。